「ルミ、今日が何日だか覚えてるか?」
「え?7月30日ですよ?」
「…20日だったりしないよな?」
「しませんねー。でも、どうし・・・あ」
パラケルススの塔。
今年も、カイとルミの二人は塔の主の誕生日を忘れていたようである。
「どーしましょうか?!」
「実は、今からジリアンさんに呼び出し受けてるんだ。」
「え?ずるいですよ!」
「というわけで、済まないな。ルミ、1人で解決してくれ。」
被害を受けるのは1人だけでいい。
去年、二人はソレを学習している。
だが、肝心のXデーは21日である。
どう考えても、被害を受けることは避けようがない。
足元に転移陣を描き、ジリアンさんの待つ魔法学院へと転移する。
…が、カイや便乗したルミが転移した場所は、クラリスの目の前であった。
「どこに行くつもりかしら~?」
「え?あ、ジリアンさんから呼び出し受けて…」
「二人で行くようなものでも無いわよねぇ?」
クラリスの笑顔に、カイとルミは今年も恐怖するのであった。
「…来年こそ忘れない。というか、ジリアン…さん・・・」