毎年この日、この場所で会おう。
それは数年前に交わされた約束。
師として
仲間として
愛しき人として
共に戦ってきた人
彼女が校長を勤める学園の中庭に、彼の姿はあった。
この日の為に、タロットナンバー筆頭と行ってきた特訓。
12月25日
クリスマスと呼ばれる聖夜は、仕事が多くなる。
だからこそ、この日は仕事場から近い
かつ 初めて会い
思いを告げた場所で 会うことにしていた。
もうすぐ彼女が来る。
「お待たせ…寒くなかった?」
転移ではなく歩いてやってくる。
「雪も降らなかったから大丈夫」
「でも、手が冷たいから」
確かに寒かったと言えばうそになる。
でも離れる事が出来ない理由があった。
頃合を見て、魔法を解き放つ。
中庭にある噴水から、水で出来た鳥が一斉に飛び立つ。
「すごい……これって、アストラル?」
「今日の為に、習得してみたんだ。誕生日おめでとう、ジリアン」
白かったジリアンの顔が赤くなっていた。
そして、二人の影は寄り添い、1つに重なる……
ような事は無かった。
今年も、クラリスに加えて、ステラ様に見られてたらしい。
どうやら、ユキの方が正月準備に忙しくて
25日を一緒に過ごせなかったとかなんとか言われたが
何故こっちに反動が来るのか分からないですよ ステラ様