何の話をしていたんだっけ…。
あ、彼との旅だったね。彼と出会ってからは、激しかった。
特殊なポケモン…いわゆる色違いの個体が各地で発見されていて
それを、発見、保護するのが兄さんが投げ出して…彼に回された仕事と、そのときの彼は言っていた。
私は元々、兄さんから水ポケモンや、当時新発見とされたポケモンを集めるのが仕事だった。
だから、そのこと自体は問題ないと思ってた。
翌日の朝に、話を聞くまでは、ね。
「え?デパート倉庫に潜入…ですか?」
「大きな声を出さないで欲しいな。ボクの格好は、潜入向きじゃなくてね。」
そりゃ、黒い甲冑にマントをつけていれば、イヤでも目立つ。
そもそも、潜入するならそんな格好を辞めればいいと思うんだけど。
「これをはずす訳には行かない。はずしたらボクじゃなくなるからね。」
兄さんも似たようなことを言っていた。
この二人、似たもの同士なのかな。
でも、そんなことで納得してしまったが為に、私が潜入することになってしまった。
だからこそ、アイツと遭遇することも出来たけど・・・。
そういえば、アイツは今何をしているのだろう?元気ならいいけど。
と、話がそれたね。
それで、結局私が潜入することになった。
デパートの倉庫だった筈の場所は、黒服の連中が不当占拠しておかしなことになっていた。
見つかって、戦っては逃げて、戦っては逃げての繰り返しだった。
その最中に、ヨルノズクという仲間を得ることは出来たけど。
それ以外の成果は、得られなかった。
「やっぱり、彼らの活動は再開していたのか…。いや、なんでもない。」
とか、彼は言っていたけど、当時の私には、分からなかった。
今ならば、分かる。
当時から数えて3年前。
彼や、兄さん、ユキさん達、一部のトレーナーが中心になって、悪の組織を解散させた。
それは、いつの間にかポケモン協会を通じて全国的に放送された事実。
でも、解散してもあきらめることの出来なかったものたちがいた。
そして、彼らは少し離れたこのジョウト地方で、復活の機会をうかがっていた。
その、組織の名は…ロケット団。
この潜入が、一端となって私は、彼らに追われる身となったのだ。