「シンオウ地方のポケモンセンターとの接続、確認しました。」
「トレーナー番号を確認します、トレーナー番号29592…確認取れました。」
「転送番号4111-1499、確認取れました。」
「転送先、確認取れました。」
「転送開始します。」
「無事、転送できました。」
「接続を切断します。」
「シンバラ教授、大丈夫…なのでしょうか?」
「うむ。じゃが、あの諸島出身のトレーナーだそうじゃし、レオナ君とも知り合いだそうじゃ。
任せても大丈夫じゃろう。」
「教授が、おっしゃるのならいいですけれど…。」
「あとは、転送先のトレーナーを信じることとしよう。」
「そうですね、教授。」
「ミュート。フィオレ地方の知り合いから、君に預けたいものがあるそうだ。」
「何を…?拒否権はあるんだよね?」
「残念ながら、拒否権は無い。そして出来れば、こちらで預かりたかったものだ。」
「え?」
マナフィのタマゴ。
目には見えない『海の神殿』へと唯一たどり着けると言われる幻のポケモン。
フィオレ地方で発見されたそのタマゴが、知り合いを通じてすでに転送されているらしい。
「フレンドリィショップに、配達員が居るはずだ。彼から受け取ってもらいたい。」
「了解。引き受けるよ。」
幻と呼ばれるほどのポケモンだ。
どんなメロディを奏でてくれるか、非常に気になる。
そうと決まれば、ポケモンセンターで時間をつぶす暇は無い。
「じゃ、受け取ってくるね。」
「あぁ、データはいつも通り、アリスに転送させてくれ。」
通信を切って、フレンドリィショップに向かう私の足は、非常に軽かった。
これから先に、何が待ち受けているのか、知らなかったから…。