ワタシの目の前に広がるのは、様々な武装パーツ。
「用意したけど、大丈夫なのか?」
「作成には問題ありません。相性の問題は残りますが。」
「なら、始めるとしようか」
今日はマスターである葵ではなく、海人と一緒に作業です。
その代わり、葵には雪納が同行しているはずですが。
そして、海人の手により構築される武装ユニット。
ラヴィーナとストラーフの標準武装から構成されるウィザードシステムⅠ"ナイト"
ガトリングパックとビームアックスから構成されるウィザードシステムⅡ"スラッシュ"
これらに続くウィザードシステムⅢと呼ばれるソレは、フォートフラッグのバックパックを中心にした砲戦ユニット。
だけど、何度考えても砲撃どころかハンドガンすらまともに当てられない真那に必要なのでしょうか?
「必要性が疑問です。」
「だからこそ、だ。演算プログラムをこっちに組み込んでサポートさせる」
「なるほど。本人に砲撃させないならば当たるかもしれない、と。」
「……あとは脚部へのブースター組込だな」
「装填弾数が少なくありませんか?」
「パンツァーサックとしても使うからな。演算用回路を装填部分に組み込んだ」
それでも24発から12発への半減は、相当使いにくい気がしますが
使うのはワタシではないので、気にしない事としましょう。
「…これでいいはず。プログラミング頼んだ」
「了解です。」
「あと、この武装たちは本当にいいんだな?」
「ワタシは使えませんから。ほこり被るのはかわいそうです。」
「なら、パターンCにするか」
完成したウィザードシステムⅢを専用のケースに仕舞い、ワタシのクレイドルと繋がるパソコンへと接続。
それを確認してワタシは、この子に意思と演算プログラムを組み込んでいく。
あの子の、真那の、そして立つ事の出来ないワタシの分も活躍できるように、と。
「ここに組み込んで…変形機構の都合を考慮して…」
エスパディア型の武装パーツから構成されたもう1人のワタシ、ブラウヒルシュ。
ワタシがバトル出来ない為に使われていなかった。
けれど、組み替えることであの子と共に戦場に立つことができるのならば
ワタシもバトルに立つことが出来るのと同義だろう。
ウィザードシステムⅣ"ケルベロス"と名づけられ、同じように専用ケースに仕舞われる。
その作業が終わるのを見届けるのと、演算プログラムの構築が終わるのはほぼ同時でした。
「プログラミング終了。あとはあの子へのインストールと、調整です。」
「ん、了解だ。助かるよ」
「ワタシの分もあの子と、その子が戦ってくれる。それだけで十分。」
だから、真那、心から強い神姫になって。