京香、サバイバる

たまたま、違うエリアに出かけてみた。
きっかけは、それだけのことだった。
新しい身体に慣れる為という名目で、遠征先の店内統一ランキングサバイバルバトルへの参加。

3体ほど襲ってきた神姫を倒したところで一息つく。
『だいぶ、その身体にも慣れてきたみたいだな』
「まだ、序盤…ランキングの低い人が活発みたい」
『そうだね。そろそろ、動きが一度静かになって…』

マスターとの通信を遮ったのは、…何アレ。鳥?カブトムシ?
武装をごてごて集めて、飛べるように体裁を整えたようなもの。
それの上に見覚えのある神姫が1人乗っていた。

「真那さん…っ」
「とべるのはあなただけじゃない。しょうぶ」

リノケロスを手に、武装ユニットから飛びかかってくる。
それを回避しようとしたところに、武装ユニットの突撃。
その飛行ユニットの先端にはジュダイクスが装備されている。

ビームサーベルを起動して、リノケロスを受け止め、ジュダイクスを蹴り飛ばす。
「生まれ変わったといっても、技術は覚えているんです!」
ジュダイクスを蹴られた飛行ユニットは、体勢を崩して落ちていく。
それによって、真那を受け止める地面もなくなる。

「この状況なら、外しません」

GEモデルLC5レーザーライフルを立ち上げ、急速チャージ。
落ちていく真那に対してロックオン。

だが、チャージが終わっても、京香は撃たなかった。

その隙に、飛行ユニットは落下する真那を受け止め、同じ高さまで戻ってくる。
「なぜ、うたなかったの?」
「…正々堂々と、相手を撃破する。それが私達の流儀です」

相手が避けれない不可避の攻撃など、見ているものが面白くない。
見せることとは、魅せること。

あまりに魅せようとしすぎて、一度身体を失うことになったけど
それでも、私はこのスタイルを嫌いにはなれなかった。

真那は飛行ユニットを武装にして、背中に装備している。
そして、大きな違いとして、その手にはGEモデルRG8レールガンを持っている。
射撃が苦手な子に射撃武器?と怪しむ間もなく、ソレを撃ってきた。

「ちゃんと撃ててる?!」
『飛行用ユニットのAIが制御しているんだろ。だけどジュダイクスをあの細腕じゃ振れない』
「マスター、あの飛行ユニットの元、分かってますか?」
『あ?それって、一体』

ジュダイクスが取り付けられていた翼のついた部分が展開、副腕となる。
「けるべろす。ますたーとのあがくれたちからが、ここにあるから、たたかえる」
右手にリノケロス、左手にGEモデルRG8レールガン。
そして、副腕にジュダイクスを構えた真那。

「それが、あなたの全力…ならば、私も全力でお相手します」

公式装備といわれる標準武装すべてを装備した、フルスペック。
この状態が、今のあなたとの対戦に相応しい。

「神に、マスターたちに、ささげる最高の舞踏を、今ここに!オンステージ!」