店内統一ランキングサバイバルバトルは、いつもと戦術を変える必要があった。
ミサイルポッド等を一度の遭遇で使い切っては切り離し、を行うのが普段なのに対し
今回は、ミサイルを可能な限り、温存していた。
フル装備による、バスタークローとビームランチャーの存在に加え
ファスト・オーガという移動手段の確保によって、いつも以上に動くことが出来ていた。
「今回は油断できないのが二人ほど居るからねぇ。温存できて良かった」
『真那とシロが撃破されたようだな。あのシロを撃破するとは…』
「真那は仕方ないけどシロを撃破…アーンヴァル型だったりして」
『む、何故分かったというのだ』
「あの子だけは動きが、サードってレベルじゃないのさ。下手すれば私達よりも上」
『珍しく弱気ではないか』
「弱気じゃないよ。だからこそ、覚悟を決めることが出来る。本気で行ける」
『信じているぞ』
「任せて。私自身と、私を信じるマスターを信じてる。だからこそ、覚悟を決めていられるのさ」
ファスト・オーガはゆっくりと廃墟エリアから、都市エリアへと移動している。
砂漠エリアはシロが制圧し、そして破れた。
廃墟エリアは、私が制圧してきた。
都市エリアは……。
そう考えたとき、目の前を、エメラルドと真紅、2つのトライクが通り過ぎていく。
2台が通り過ぎていったのは、環状高速と呼ばれるもの。
そこをトライクモードで走り、マシンガンを撃ち合う。
あの分では次の周回までの決着はないだろう。
予め、ミサイルの軌道を入力して、3セット24発を発射。
「閣下、アレを使うけどいいよね」
『良くないといってもやるのだろう?許可する。ワシの神姫であるお前の力、みせてやれ!』
閣下の許可が出ると同時に、ファスト・オーガを含めて私の装備が全て光の粒子になり
一度、サイドボードへと転送される。
そして、組み替えられたファスト・オーガ…真鬼王が私を包み込む。
通常、格闘攻撃手段しか持たないそれをオメダとアクスは、独自に組み替え改修してある。
両腕にバスタークローをそれぞれ追加し、背中にインフェルノキャノン。
素体の腰にハンドガンを装備、それぞれの間接部のモーターも高性能なものへと入れ替えてある。
「あれは、真鬼王?!…勝負はお預けだ」
「同感ですね。力を合わせても行けるかどうか…怪しいですが、やるしかないようです」
「我は下から、貴殿は上から」
「いいでしょう。参ります!」
こちらの姿を確認するなり、アーク型…リリシアも、イーダ型雪納も、トライクモードからバトルモードへと切り替えてくる。
覚悟をしたサードクラス神姫は、覚悟をしていないセカンドクラス神姫より遥かに強い。
そして、今から来る二人は、覚悟をしたセカンドクラスの神姫。
「だからさ、あんた達の覚悟の程、見せてもらうよ!」
残っている神姫は、私を含めて残り…4体。