RO手記4

-応援する風があれば希望という空を飛べない勇気という翼はない-
-ハウゼル・ハウゼン著 希望の丘より抜粋-


姫猫の体を風が包み込む。
姫「うにゃぁぁ~。風が気持ちいのですにゃ~」
崑崙空中庭園のひとつに、その影はあった。
先ほどまでは他にも影があったのだが、去っていった後だった。

「よいしょっ。あ、姫発見~♪」
その場に一つの影が増える。
姫「月海ちゃんなの~」
海「さっきの話、気にしちゃだめだよ♪私は姫を応援するからね♪」

月海の言うさっきの話とは、姫猫がここに居る理由でもある。
彼女が好きな春乃に呼び出されたのだ。その内容とは、今の自分の気持ちを整理すること。
そして、その気持ちを伝えること。姫猫は振られたわけではないが。


-飛ぶ気持ちがあればその羽根が折れる事を恐れてはならない-
-ハウゼル・ハウゼン著 希望の丘より抜粋-


姫「うにゅ…猫が春ちゃんを好きなことは、変わらないのですにゃ」
海「うんうん♪あきらめちゃ駄目だよ」
姫「振られてない以上は、あきらめないのです~」


-落ちる恐怖より、飛べない事実のほうが不幸であろう-
-ハウゼル・ハウゼン著 希望の丘より抜粋-


海「おいで♪」
見ると隣で話していた月海が、いつの間にか座り、自分の膝を指している。
姫猫は迷わず、その膝に頭を乗せ、二人で空を眺めていた。
その姿は、友達というよりも親子のようなぬくもりが包み込んでいた。