射手座の聖夜
ジリアンさん誕生日SS間に合ったっ
ということで アクエリアンエイジ―射手座の聖夜
ジリアンさん 誕生日おめでとうございます
ちゃんとケーキ買えたので改めて おめでとうございます。
それと メリークリスマス
2008年12月
「なぁ、マギナ?」
「なにー?」
反応は返ってくるが、生返事。
「なんで、こんな格好を僕がしなきゃいけないんですか?」
目の前には、ルカ。
「罰ゲームで負けたからでしょ。二人とも」
「…まぁ、いいけどな」
拝啓、ジリアンさん
お元気ですか?
戦いが終わった我が家は、地獄です
今のルカの格好は、某セーラー戦士の『主役』の格好をしていた。
というか、させられていた。
自分も自分で、通称変態薔薇仮面と呼ばれた人物の…
服を作らされてるんだが。
「誰がこれを着るつもりなんだ?」
「ルツィエだったら、似合うと思うんだけど…」
「マ、マギナ!何を言い出すのよ!そんな仮面…」
だんだん声が小さくなっていく。
「…全身全霊で作らせていただきます」
何かあると後が怖そうだ。
他の人でも怖いが。
それが、20日ごろの事。
服の材料買出しと同時に、必要なものは1つを除き確保してあった。
そして24日、フレアさんにそっと声をかけられた。
「行きたいんでしょ?ついでだから連れて行こうか?」
「頼むよ、フレアさん」
転移してたどり着くのは、魔術学院ではなく、ジリアンさんの部屋の前。
「…フレアさん?」
「じゃ、私はアッチ見てくるから」
そのまま、さらに転移していってしまう。
あの分だと、シュロのところへ飛んだな…。
時間は23:59。
そして、時計が25日に変わる。
「来てくれると思ってた…」
後ろから声をかけられた。
「ジリアンさん?何で後ろから…」
「ここは、どこ?」
「どこって、ジリアンさんの……探知結界か」
家に直接押しかけるような魔術師は、ほとんど居ない。
その為、警戒用の結界を張っている事もある。
今回はソレに引っかかったようだ。
「そうだ、これが今年のクリスマスプレゼント」
衣装の材料を買いに行く中に見つけておいた手袋とマフラー。
「こっちが渡せなかった去年の分」
いっしょに買った帽子だが、別口梱包にしてもらっていた。
声に出していないが、この雰囲気は喜んでもらえたらしい。
何だかんだで、ルツィエに見立てを手伝ってもらったことはあった。
「…今日」
「ストップ。…そこのドアに1人!そっちのドアにも2人!…それと、天井に3人!」
「あはは…、ジリアン様、お誕生日おめでとう~…」
ペロッと舌を出しながら、気まずそうにドアから出てきたのはフレアさんだった。
「……気にしないで…、私は気にしてないから」
「お、俺は止めたんだが、その…、な?」
もう一つのドアから出てきたのは何故か、真純とシュロ。
「あら~、見つかるのが早かったわね~」
「…」
「もう、天井から覗こうとするからですよー…」
天井から降りてきたのは、クラリスとWorks274、そしてルミの3人。
いつもの事だから突っ込むのは止めておこう。
「…ジリアンさん!」
ジリアンさんの手を取り、転移陣を展開する。
流石にこの状況では、苦手とか言える余裕も無い。
そして、転移した先は…。
「…KAI?どうして…その…、校長室なの…」
ジリアンさんが、間違えるはずの無い魔術学院校長室だった。
「細かいことは気にしないでくれ。それよりも、誕生日おめでとう…ジリアンさん」
閉められていた窓のカーテンを一気に開く。
「ありが…」
声を出せなくなったジリアンさんの顔を見ながら思う。
来年も、この先ずっと、ジリアンさんの顔を見ていられる…そんな世界になれ、と。