機動戦士ガンダムAA Pack.2ジオンの亡霊

だいたい書き終わった。
1話毎に 視点が変わりそうな感じだけど
どうやって話を展開して行こう…?


「作戦行動時間は5分。それを超えたらプランBに移行する」
『了解』
彼女の部下達から了承する通信が入る。
彼女達が見つめる先にあるものは、希望か、悪魔か…。
こちらの姿を隠しているわけでもない為、当然のように
向こうの戦艦からもMS部隊が発進している。
Ζ部隊は、こっちを無視して離れてゆく。
おそらく戦艦を探しに行くのだろう…バルーンしか居ないけど。
それよりも、気になる事がある。
「…この時世に戦闘機?連邦め、何を考えている」
バーニアをふかし、戦闘機部隊へと近づいてゆく。
警戒を怠らぬように気をつけながら、射程圏内まで捉える。
そのとき、戦闘機部隊に1機のMSが合流した。
「ん?Gタイプ?何で今頃…」
青い塗装が施された特徴のある頭をもつMS。
「戦闘機だけなら問題ないけど、Gタイプは厄介ね。3機、支援を!」
『了解!デルタチームが支援に入ります!』
アルファ、ベータ、デルタ。
3つのMS小隊で1艦隊へと勝負を挑む。
なんと馬鹿げた事か。
だが、彼女はそれを行う必要があった。
数日前に感じた、只ならぬ予感を確かめる為に。
まずは一斉砲撃。
ビーム兵器よりも先に実弾兵器を使用する。
一定距離で破裂する、炸裂弾頭。
Gタイプには無効だろうが、戦闘機には通用するはず。
そう思っていたが、甘かったようだ。
バーニアの0からトップへのフルバースト。
それによって体にかかるGは半端無いはずだが、それでも全戦闘機が行って回避していた。
全てを避けられたわけではなく、何機かは翼に当たったようだ。
宇宙空間で翼が意味あるのかは知らない。
だが、付いているのだからきっと意味があるのだろう。
『さらにMS1機がこちらに向かってきます!タイプ…ジェガンです!』
「戦闘機を任せたよ!私は、ジェガンとガンダムを相手にする!」
『御武運を』
Gタイプ改め、ガンダムはこちらに攻撃してくる様子が無い。
なめられているのか、不慣れなのかは分からない。
油断はならないが、向かってこないなら、先に落とす必要も無い。
何より今後の事を考えれば落とすわけにもいかないのだ。
なので、カメラからはずさない用にしながら、ジェガンの相手をする事にした。
損傷が激しいのか激戦を潜り抜けてきたのか
各所に改修が入っていて、データ上のジェガンとは違う姿を見せていた。
『地球連邦軍第16艦隊所属のジュンセツ=フロズゲイル大尉だ。名を名乗れ』
「…元ネオ・ジオン軍第17艦隊所属エリュリア=エンテル中尉」
気がついたら私自身も名乗っていた。
今まではこんな事が無かったのに…。
『女性パイロットか…だが、来るのならば叩き落させてもらおうか!』
ジェガンはその声にあわせて、ビームライフルを3発発砲。
普通に回避すれば、1箇所しか逃げ道は無い。
回避が普通ならば。
同じ被弾をするならば、ダメージを少なくするように動く。
それが私のやり方。
バーニアを吹かせて、ビームライフルの光条に機体を突っ込ませる。
そのまま、ジェガンを捕捉してビームマシンガンを数発発砲。
さらにビームサーベルを引き抜く。
あせらずに仕掛けが、終わるのを待つ。
連続的にビームサーベルによる斬撃。
その全てを回避、あるいは防御するジェガン。
攻撃が通用しないという焦りを押さえつけ、斬撃を続ける。
そのタイミングまで、あと数秒。
見破られていたとしても、引き返す事はできない。
心の中で、そのタイミングをカウントする。
ジェガンのビームに突っ込んだときに切り離していた物を起動する。
それと同時に、離脱しビームマシンガンを掃射。
7方向からの同時攻撃。
彼女が乗る機体、それはネオ・ジオン製ニュータイプ専用モビルスーツ
ヤクト・ドーガという。
それから放たれていた物、ファンネルがビームマシンガンに合わせての砲撃。
すべての連撃は、このときのための布石。
アムロ・レイやシャア・アズナブルといったエースには通用しないが
連邦のオールドタイプになら、必中必殺とも言える攻撃方法。
それゆえに彼女は生き延びてきた。
今までならば。
だが、目の前のジェガンはソレを回避して見せた。
対ビームシールドを射線上に投げ捨てる事で道を作り出し、回避してみせた。
エース級以外には必中必殺のこの攻撃を、だ。
それは彼女にとって、勝てない相手とも言える。
「アレを避けるなんて、化物め!」
愚痴を言いながらも目の前の“化物”から目をそむけない。
気を抜けば、落とされる。
「なんで、何でこんなエースが乗ってるのよ?!」
そもそも今回の調査を調べた範囲ではおかしい事ばかりであった。
軍の3分の2を占めるという水瀬秋子准将とその支持者。
それが長距離遠征を行うというのにも構わず単艦であり、
部隊運用の機体も、このご時世に宇宙戦闘機まで配備。
そして、支持者ではないどころか
背後関係が不明な人間達による推薦抜擢による編成。
敵だったとはいえ、水瀬准将の戦術、理論、生き方にあこがれるものがあった。
だからこそ、今回のおかしな点を含めて戦力外ならば、調査を潰す。
『俺にファンネルのような小細工は通用しない!』
「…そうね。時間切れだし、十分実力もあるみたい」
ジェガンと改めて通信をつなぐ。
「全機、戦闘行動を中止してマーメイドへと投降、合流します」
『なんだと?』
プランBへと移行した。
戦力が頼りになりえるならば、その時は私たちも同行する。
地球だけでなく、コロニーを含めた脅威が待ち受けているだろうから。
数年前のミネバ様の言葉を忘れたわけじゃない。
だからこそ、地球を守りたい。
コロニーを守りたい。
自分達の居場所を、失った場所を取り戻す為に。
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ヤクト・ドーガ(エリュリア機)
ネオ・ジオン製NT用MSをエリュリア用にカスタマイズした機体。
サイコ・フレームの軽量化と対ビーム装甲を使用して
重量変化を起こさない範囲での重装甲化が行われている。
また、ギラ・ドーガ用ビームマシンガンを装備している。

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